
人生で影響を受けた人物自分を活かせるライフワークを見つけよう
教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【84】
私は現在、会計や監査の研究者をしていますが、大学卒業後は就職し、会計の仕事に就いてました。その後、きちんと会計を学び直したいと思い、社会人入試を利用して明治大学の大学院に入りました。
当時は研究者になるつもりはなく、修了したらまた実務に戻るつもりでした。正直に言いますと、会計関連の資格も実務経験もあったので大学院での研究も簡単に乗り越えられると思っていました。
ところが恩師、森川八洲男先生に出会って、研究活動はそんなに生やさしいものではないことがわかったのです。
森川先生は会計学者であり、現在は明治大学名誉教授です。先生に会計研究の基礎から厳しくご指導いただきました。在学中は褒めていただいたことなど無く、緊張の連続でした。
しかし、その経験があるからこそ、現在の私があると言っても過言ではありません。研究者となった今でも大学院生の頃の緊張感と密度をもって日々研究に取り組めているだろうか、と自問自答することがよくあります。
先生は持てる時間のすべてを研究に投入し、論文を執筆されていました。そのお姿を目の当たりにして、改めてすごい世界があるものだと驚愕しました。
そして、その驚きが徐々に憧れに変わり、ついに自分も研究者になりたいとという気持ちに火が付いたのです。
先生には研究を継続して行うことを教えていただきました。何事も「本当に好きなことを継続する」という姿勢が大切だと思います。誰でも好きなことでないと継続はできませんから。
皆さまにもぜひ、自分の個性を活かせる、あるいは生き生きと取り組めるライフワークを1つ持っていただきたいと思います。
物事がうまくいかなかったり、落ち込んだりする時も「今日は帰ったらあれをやろう」とか、「明日はあれを調べてみよう」などと思えれば、困難な状況もいつのまにか通り過ぎてしまうのではないでしょうか。
もちろんご友人やご家族と楽しく過ごすことが一番ですが、加えて何か夢中になれることがあったら、そのことが自分を守り、困難を乗り越え、ひいては飛躍のヒントになるのではないでしょうか。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。