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2023.02.17

腸内環境は免疫制御のカギ!

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健康長寿を目指した個別化/層別化栄養の時代へ

 食の免疫制御機構の詳細が解明されてくると、その人の代謝活性や腸内細菌叢を把握した上で、それに対応した個別化栄養や、そのタイプごとの層別化栄養が期待されます。

 例えば、アマニ油を摂取すれば目的の代謝物が十分に得られる人もいれば、得られない人もいます。得られない人に対しては一緒にこの腸内細菌(例:乳酸菌など)を摂りましょう、といった具合です。その人の個性を把握し、足りないものがあれば補うやり方を提供することが、個別化/層別化栄養です。

 最後に、健康に関わるこうした話を聞くと、良いと言うものに偏った食事をしがちになる人もいますが、それは良くありません。例えば、ω3脂肪酸はアレルギーや炎症の抑制に有効ですが、すべてに良いということはありません。免疫機能は、いわば諸刃の剣です。

 食生活においては、よく言われることですが、様々なものをバランス良く摂取することが大切です。その上で、個別化/層別化栄養を実現し、健康長寿に貢献するための研究を進めていきたいと考えています。


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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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